新しい話~~自叙伝的なもの~~
去年、僕が小学3年生の時に体験した、心臓病の手術入院の時のことを書いた。
今年は、40歳になって、自分の人生を振り返りつつ、何が自分の人生に影響を与えたか、どのようにして現在の自分があるかについて書いてみようと思う。
長くなると思うし、完了させることができるかどうかも分からないが、とにかく書いてみることにした。
書きながら、過去のことを思い起こしていくとあらたな発見がある。
退院した
こうして、僕の長かった約50日の入院生活が終わった。
退院して、帰宅したその日の晩、久しぶりのソファーの上で、妹たち(2人いる)と一緒に、嬉しくてピョンピョン跳びはねていたが、ふと、入院中の友達のことなどを思い出して、涙が出てきた。
一緒に喜ぶ妹たちを尻目に、泣き崩れてしまった。
子どもにとって、本当に長い、大変な、だけど充実した1か月半だった。
ICU での食事
そして、思い出3つ目は、食事の再開である。
手術から数日後、看護婦さんが来て、「そろそろ何か食べられるかどうか試してみようか」と言われた。
僕が首肯すると、はじめは氷を持ってきた。
単に水をこおらせただけのものだ。
それをなめさせられた。
2日2晩か3日3晩か知らないが、何も食べていなかった僕にとって、その氷は…
特に美味しいものではなかった。
しかし、次に看護婦さんが持ってきてくれたのは、やわらかいクッキーだった。
氷が大丈夫だったので、次はクッキーというわけだ。
これは美味しかった。
1枚ペロッと食べてしまい、もっと欲しいと言って、もう1枚貰った。
その日の食事はそれで終わりだったが、すぐに ICU を出られそう、と言われた。
人工呼吸器を抜くとき
次に覚えているのは、人工呼吸器をはずす時だ。
ある日、自分で息ができるようになってきてるから、人工呼吸器をはずそうか、と看護婦さんに言われた。
そして、看護婦さんは、鼻から奥に差し込まれていた管をゆっくりと引き抜き始めた…。
が、痛いのだ。
耳鼻科に行くと、薬を塗ったり鼻汁を排出したりするために、鼻の穴に棒を入れられることがあるが、これを経験したことのある人は多いだろう。
あれは結構痛い。
子どもの時はベソをかいてしまっていたほどだ。
そして、人工呼吸器の管は、あの棒がさらに奥まで入れられているようなものなのだ。
引き抜くときは、それを特に感じる。
しかも、看護婦さんがゆっくりと引き抜くものだから、痛みの時間が長引くのだ。
僕は、慌てて、自分で管をつかんでさっさと引き抜いてしまった。
これが、ICU での思い出の2つ目である。