遠い昔の手術痕
背中に手術痕があることは、自分では見えないため、全く知らなかった。
「うそ!!??」
と、非常に驚いたが、どうやら嘘ではないようだった。
後で、母親に聞いてみると、生後11ヵ月の時に手術を受けたらしいことが分かった。
驚いた。
今回の入院が、初めての手術ではなかったのだ。
しかし、小学3年生の自分には、生後11ヵ月という、自分の記憶もない時代のことは、恐竜の時代のようにはるか昔のこと。
知られざる自分の過去に思いを馳せることも特にはなかった。
だが、既に自分に傷があったことに、がっかりしてきずつくことはなく、むしろ、嬉しく、少し誇らしく思ったのは確かだ。