先天性心疾患を持って生きる

先天性心疾患で生まれたベルーガの個人的人生記録

当日の朝

トイレと病室を行ったり来たりしている間、食堂の方に目をやると、友達たちが普段通り朝食を終えた頃で、めいめい、のんびりと1日を始めているようだった。

病院の方針か、子どもたちの気遣いか知らないが、友達に声をかけられることもなく、さりとて、自分から声をかけることもしなかった。

そういえば、前に手術を受けた子ども達に、当日「がんばって」とか「大丈夫だよ」などと声をかけた記憶は自分にはない。

それどころか、手術当日、友達がどこにいて、いつ運ばれていったかさえも知らない。

子ども達の日常の目から、手術の人をいたずらに晒さないのが病院の方針だったのかもしれない。